穂積建設工業(八戸市)は明治期の創業から150年近い歴史を刻み、八戸地域で港湾や道路、公共施設などの整備に携わってきた。石亀晶丈社長(37)はドローンや仮想現実(VR)など新技術を取り入れ、建設業の魅力向上に意欲を示す。働き方改革を推進し、さまざまな認証も取得。企業価値を高め、災害復旧や除雪など地域にとって必要な役割を果たしていく考えだ。
―コロナ禍での影響は。
新型コロナウイルスの感染拡大後、半導体不足によって建設に必要な資材や機械がすぐに入って来ない時期があった。納期内に入荷しない場合、代替品を探して対応したこともある。
工期の遅れは人件費の増加などコスト上昇につながる。何よりも完成を待つお客さまを待たせるわけにはいかない。品質や安全性を確保しながら、工期の中で収めるよう企業努力を重ねている。
密集を避けるため朝礼をリモートに切り替えた。移動時間を短縮でき、好評だったことから今も続いている。学生のインターンシップ(職場体験)でも、リモートで会社説明会や現場見学会を開催した。
―建設業はどのように変化しているのか。
建設現場の機械は日進月歩が目覚ましく、自動化が進んでいる。例えばデータを入力すれば、何センチ掘るとか、決まった作業をこなしてくれる高性能の機械も登場している。
工事現場にはカメラを設置している。台風や豪雨の時など海や川に近づくのは危険だが、離れた所から安全にスマートフォンなどで状態を確認できる。不測の事態に備え、活用できる部分には新たな技術を積極的に取り入れたい。
建設業の面白さを知ってほしいのでインターンシップにも力を入れている。仮想現実を通して現場の安全管理を体験したり、ドローンで測量をしたり、新しい技術も含め、いろいろな体験をしてもらうように努めている。
―さまざまな認定を受けている。
社員の前向きな姿勢もあり、国土交通省の災害時建設業BCP(事業継続力認定)、経済産業省の健康経営優良法人、青森県のあおもり働き方改革推進企業などの認定を受けている。多様な取り組みをしていることが一番の企業アピールになり、対外的にも分かりやすい。
地域貢献活動として八戸市や日本赤十字社への寄付を長く続けている。鳥インフルエンザの発生や大雨災害など緊急時の対応に協力したり、小学校の校庭をならしたり、自分たちにできることをやらせてもらっている。
―業務改善で取り組んでいることは。
若手の声を受けて社内で勉強会をやっている。ベテラン勢は現場の状況に応じて個々に培ってきたやり方がある。違う手法があることで、若手にとっては戸惑う場面もあるようだ。やり方が決まっていれば、互いに悩まなくて済み、作業の効率化にも役立つ。
大型建築の基礎工事で環境負荷やコストを抑えつつ、工期の短縮にもつながる新工法にも取り組んでおり、今後の工事でも提案していきたい。
―建設業の魅力は。
八戸市屋内スケート場「YSアリーナ八戸」、中心街の憩い場「マチニワ」、沼館地区と八太郎・河原木地区を結ぶ「新大橋」など市民の方々が長く使う施設やインフラ整備に携わることは、私を含めて社員の誇りとなっている。
東日本大震災後、建設業の志望者から「地元を守りたい」という声を聞くようになった。わが社も震災復興には携わっており、災害時の対応は建設業にとって使命だと考えている。今後も責任感を持って対応していきたい。
本社は八戸市売市3の2の16。1879年に穂積組を創業。1962年11月に分社化して穂積建設工業を設立。従業員数65人。建築、土木、鋼構造物、舗装、とび、しゅんせつなど各工事をはじめ、設計コンサルタント、建設機械・重機のレンタルなどを営む。
いしがめ・あきたけ 八戸市出身。青森県立八戸高、立命館大卒。銀行員を経て穂積建設工業へ入社。2021年から現職。剣道3段。
